中世ヨーロッパの風情が残る美しい国、ルーマニア。
東欧はバックパッカーにとっても憧れの場所なので、一度は行ってみたいと思ってる方も多いはず。
しかし、ルーマニアは治安が悪い国としても有名です。果たしてこれは本当なのでしょうか?
だけど、ルーマニアは少し寂しさを感じる殺風景な場所も多くあって、野犬もたくさんいたので、不気味な印象も受けました。
外務省から注意喚起されている犯罪もあるので、これからルーマニアを訪れる方はきちんと事前に情報を集めて対策しておく必要があるんだ。
今回は、ルーマニアへ向けて旅立つ方が絶対に気をつけておきたい5つの注意点を旅行者目線でお伝えしていくよ!
勉強しておきます!!
というわけで、これからルーマニア旅行に行かれる方は本記事の内容をぜひ参考にしていただければ幸いです!
ルーマニアってどんな国?まずは治安の最新動向をチェックしておこう
★ 基本情報 | |
首都 | ブカレスト |
言語 | ルーマニア語 |
通貨 | レウ(LEU)※1LEU ≒ 28円 |
民族 | ルーマニア人(約83.5%)、ハンガリー人(6.1%)、そのほか |
宗教 | ルーマニア正教(81%)、プロテスタント(6%)、ローマ・カトリック(4.3%) |
日本との時差 | -7時間 |
日本からはアクセスが悪いこともあり、旅行先としてはあまりメジャーではないかもしれません。
しかし、ルーマニアの黒海沿岸はリゾート地として毎夏200万人の観光客が訪れており、ドラキュラ城で有名な『ブラン城』などは日本でもよく知られています。
そんなルーマニアですが、旅行者の間では『治安が悪い国』として噂されることもしばしばあります。
果たしてその噂は本当なのでしょうか?
以下は2019年10月現在、外務省より発表されているルーマニアの危険情報です。
通常、外務省から危険と判断されたエリアは黄色く塗りつぶされるのですが、上記を見る限り、現時点で危険地域として指定されているエリアは1つもありません。
今のルーマニアの治安は、おおむね落ち着いていると考えて問題なさそうです。
では、ルーマニアがなぜ『治安の悪い国』として囁かれるようになったかというと、2012年にルーマニアで起きたタクシー運転手による日本人女子大生の殺害事件が少なからず影響していると考えられます。
この事件は、夜間に空港へ到着した女子大生がタクシーを探してロビーを歩いていたところ、タクシー運転手を名乗る男性に「目的地まで送ってあげる」と声をかけられたのが発端となりました。
このショッキングな事件は当時の日本を騒然とさせましたが、ルーマニアではこのような強行的手段による手荒な犯罪が少なくありません。
また、外務省によると、ルーマニアでの犯罪件数は2012年に警備が強化されて以降、6年連続で減少を続けていますが、それでも2016年の犯罪件数は58万件。人口当たりの犯罪発生率は日本の約3.7倍となっています。
これからルーマニアに訪れる方は、出発前に必ず現地での多発犯罪や危険スポットなどを把握しておき、自分の身を守るための情報をしっかりと仕入れておくことを強くオススメします。
1.本当に安全?旅行者が初めにチェックしておきたい4つの項目
旅行者が最低限知っておきたい内容は次の4つです!
➀ ATMは安全に使える?
ATMでの現地通貨引き出しは為替手数料を安く抑えることができるため、利用する旅行者は多いでしょう。
ルーマニアのATMは空港をはじめ、都市部には銀行や街中など至る場所で見つけることができます。
また、田舎町であっても銀行などにはATMが設置されているため、観光客は便利に利用できるでしょう。
ただし、ルーマニアでATMを使う際にもっとも気をつけてほしいのが『スキミング犯罪』です。
スキミングとは、ATMの利用時やクレジットカードでの決済時に、カード情報や暗証番号が盗み取られて不正利用される犯罪のこと。
実は、ルーマニアはヨーロッパのATM安全対策組織(European ATM Security Team)によって、スキミング犯罪の高リスク国として注意を呼びかけられているんです。
通常、スキミング犯罪はATMの挿入口などに「スキマー」と呼ばれる機械を取り付け、そこに挿入したカードの情報を盗み取るという手口が一般的とされています。
そのほか、ATM上部にカメラを設置したり、ATMの操作中に第三者が手元を見て暗証番号が盗まれるのが定石でした。
ただし、近年のルーマニアでは、ある遠隔操作型の指令センターから周辺にある複数のATMへ、現金の支払いを強要するマルウェア(悪意のあるソフトウェア)を送り込むことで、ATM利用者から多額の金銭を奪い取る犯罪が急増しています。
こうした高度なスキミング被害は現在、ヨーロッパの全域で広がっていて、実行犯の大半がルーマニア人かブルガリア人であることも明らかになっています。
ルーマニアでATMを利用する際には、たとえ銀行であっても、都市部各所にあるATM機を利用するのは安全ではないと言えます。
スキミング被害を防止するためにも、セキュリティの整った空港に設置されているATMを利用することをオススメします。
ATM利用時には常に周囲へ注意を払い、不審な人を見かけたらすぐさま操作を中断するなどして警戒しておきたいねっ
支払いはなるべく現金でできるように、空港やモールに入っている両替所であらかじめ両替しておくといいね!
ちなみに、ルーマニアでは基本的に自国通貨であるLei(レイ)が使われているけど、EU加盟国でもあるのでユーロも用意しておくと便利だよっ
② タクシーの利用は安全?
次に、市内各地を安く・便利に移動できる手段として、旅行者が頻繁に利用するであろうルーマニアでのタクシーの安全性について。
ルーマニアでの正規タクシーは車体が黄色く、屋根上に緑や赤のランプがついています。
車体の左右には許可プレートの埋込と会社名が記載されており、運転席と助手席のドアに1kmあたりの値段が表示されています。
料金はタクシー会社によって異なりますが、1kmあたりの相場は1.4~3.5Lei(約40~100円)。国際空港から市内間は30~40Lei(約840~1、120円)が平均料金とされています。
そんなルーマニアのタクシーですが、旅行者の方に絶対に守ってほしいのが『流しのタクシーや白タク(無許可タクシー)には絶対に乗らない』ということ!
先ほどもお伝えしましたが、2012年には日本人女子大生が空港にて白タクの運転手に声をかけられ、乗車したのち殺害されています。
また、ルーマニアでは正規タクシーであっても、運転手による観光客のぼったくり被害が相次いでいるんです。
- 2013年7月、国際空港から宿泊先へ移動しようとしていた邦人男性旅行者が、空港のインフォメーションカウンターで宿泊先について尋ねていたところ、宿泊先の運転手を名乗る男性に声を掛けられ、目的地に到着すると法外な料金の支払を請求された。
- 2014年1月、バスターミナルからノルド駅に移動しようとしていた邦人女性旅行者が、現地人風の男女グループに親切心を装って話しかけられ、待機している仲間のタクシーに誘導されたのち、目的地に到着すると高額な料金の支払いを要求された。
- 2015年12月、邦人旅行者が深夜タクシーに乗ったところ、スタンガンの様な物を首に突き付けられて脅され、多額の現金を引き出された。
出典:在ルーマニア日本国大使館『安全の手引き』(平成30年2月)
ぼったくりの手口としては、メーターを回さなかったり、メーターが超高速回転したり、目的地とまったく違う方向に行くなど様々なんだ。
流しのタクシーや、道路で声を掛けてくるようなタクシーはほぼ100%不当な金額を要求してくると考えておいた方がいいね。
ルーマニアでは2012年の白タク運転手による女子大生殺人事件をきっかけに、国際空港では安全対策が進み、今ではほとんど白タクが見られなくなりました。
それでもぼったくり犯罪は後を絶たないので、旅行者は以下の点を必ず守ってルーマニアのタクシーを利用してね!
- 見知らぬ人には絶対についていかない
ルーマニアでタクシーのぼったくり被害に遭うケースの大半は、犯人(もしくは犯行グループ)に声をかけられるのがきっかけとなっています。犯人は「行き先地関係者」を装ったり、「ここは危険だ。安全な場所へ案内してあげる」などと親切心を装って近づいてきます。見知らぬ人には絶対についていかないように。
- 信頼するタクシー会社を使う
外務省によると、ルーマニアで比較的安心して利用できるタクシー会社は「MERIDIAN」「COBALCESCU」「LEONE」「SPEED」「TAXI2000」の5社です。車体の左右に書かれている会社名を確認し、それ以外の会社への乗車は避けましょう。
- 料金相場を確認し、メーターを動かしているかを必ず確認する
タクシーの運転席、また助手席には1kmあたりの料金が表示されています。乗車前に料金相場を必ず確認しておき、料金について不審に思ったらすぐに運転手へ確認してください。また、メーターを動かさない運転手は100%ぼったくりなので、指示しても動かさない場合は降車することをオススメします。
- 空港やノルド駅では、タクシー呼出機器を利用する
観光客のぼったくり被害の多発を受けて、ルーマニアでは国際空港やノルド駅に、タクシー業者を呼び出すための黄色いタッチパネル式端末が設置されました。国際空港では到着ゲートを出て左右に3台ずつ、ノルド駅では、降車後に天井からつるされた案内にしたがって進んだ先の出入口に3台設置されており、無料で利用できます。
呼出機器がない場所では、インフォメーションセンターや店舗の従業員などに相談し、なるべく自己判断でタクシーを利用しないようにご注意ください。
- タクシー配車アプリを使う
世界各地で利用できるタクシー配車アプリ「Uber」や「BlackCab」などは、運転手の顔写真やレビューを確認できるうえ、クレジットカードによるオンライン決済も可能なため、ぼったくりに遭う心配がありません。また、ルーマニアでは他にも「Star Taxi」や「Speed Taxi」、「Meridian Taxi」といった独自のアプリもあり、外務省が利用を勧めています。
国際空港では、昼間に市内まで30分おきに運行している780系統の路線バスが、また24時間運行している783系統の路線バスがあって、空港のチケット売り場で往復券が8.6Lei(約240円)で購入できるんだよっ
なるべく安全に市内へ移動するためにも、上記のような移動手段を使って安全を確保しておこうね!
③ 飲み物(水道水)や食べ物の衛生状態は大丈夫?
続いて、旅行者が避けては通れないルーマニアでの水や食事の衛生状態について。
外務省によると、ルーマニアの水道は上水道配管の保守が悪く、水道水が混濁している可能性が指摘されています。
歯磨きやうがいに水道水を使う分には問題ありませんが、飲用にはミネラルウォーターなどを購入することをオススメします。
ちなみに、ミネラルウォーターには炭酸水のApa Minerala、炭酸抜きのApa Plataがあるので、好みに合わせて購入すると良いでしょう。
一方、食事については、ルーマニアでは西欧諸国のように衛生状態が万全とは言えず、一部のレストランや屋台では衛生管理が十分でないところもあります。
旅行者はなるべく客のあまり入っていないレストランなどは避け、どの店舗で食事をするときも火の十分に通った料理を基本とするように心がけましょう。
また、夏場は生ものによる食中毒が発生しているため、特に注意が必要です。
④ 夜出歩いても平気?
ルーマニアでは日本と比べて街灯が少なく、夜に街を歩いていると薄気味悪さを感じることがあります。
また、現地で旅行者の遭う犯罪被害の多くがスリ被害ですが、夜になるとひったくりや強盗など、犯行の手口が荒くなる傾向にあります。
最近ではブカレスト市内のロマーナ広場、ウニリイ広場周辺といった中心部において、若者グループが観光客等を狙って取り囲み、ネックレスなどの貴重品を引きちぎり強奪していくといった強盗事件のほか、スリやひったくりも散見されます。
出典:在ルーマニア日本国大使館『安全の手引き』(平成30年2月)
観光は昼のあいだに済ませ、特に女性は夜間の散策をなるべく避けるべきです。
また、犯罪者は旅行者の後をつけて犯行の機会を窺っているケースが多いため、男性旅行者であっても時折後ろを振り向いて不自然な動きをする人がいないかを確認するなどの警戒が必要でしょう。
ルーマニアでの犯罪は首都ブカレストをはじめとした都市部で多発しており、特にホテルやレストラン、バスや電車などの交通機関、観光スポット周辺は旅行者を狙った犯罪が発生しています。
昼夜問わず、また男性女性に関わらず、こうした場所の近辺では常に周囲に注意を払い、不審な人物を見かけたら、携帯電話を取り出して警察に通報するフリをするなど、各々に対策を取ることをオススメします。
2.自分の身は情報で守れ!ルーマニアで多発している犯罪被害とは?
先ほども伝えたとおり、ルーマニアでの犯罪発生率は日本の約3.7倍。しかも、観光目的で訪れる旅行者が犯罪のターゲットとなることがとても多いんだ・・・
だけど、ルーマニアでの犯罪には手口や発生場所に多くの共通点があるので、現地での多発犯罪や危険スポットなどの情報を事前に掴んでおくことでトラブルに遭う確率をグンと減らすことができます。
これから現地を訪れる旅行者は、こちらで紹介する内容をしっかり頭に入れて、安全にルーマニア観光を楽しんできてねっ!
多発犯罪1. スリ・置き引き
これまでの邦人犯罪被害の内訳としては、スリ被害が最も多く発生しており、特に公共交通機関内でのスリ被害をはじめ、ひったくりや置き引き等も確認されています。
【スリ被害の事例】
- 邦人旅行者が日中列車内で居眠りしていたところ、座席横に置いていたバッグ内からパスポート等貴重品が盗まれた
- 夜間に地下鉄駅階段を下り改札に向かっていた際、後方から近づいてきた賊に肩にかけていたバックの中から財布をすられた
【置き引き被害の事例】
- 邦人旅行者が国外から列車でノルド駅に到着し、駅構外の路上に荷物を置いて周辺を写真撮影していた際、現地人風の若者が駆け足で近づいて来て、置いてあった小型バックを窃取され逃走された
- 観光ツアー参加者がブカレスト市内のレストランで食事をしたところ、いすの下に置いていたカバンを盗まれた
出典:在ルーマニア日本国大使館『安全の手引き』(平成30年2月)
ルーマニアでのスリ・置き引き犯罪は都市部の主要駅周辺をはじめ、電車やバスなどの公共交通機関内で起きることが多いのだとか。
こうした場所では常に貴重品から注意を離さず、電車やバスの車内ではバッグを前に抱えるなどして対策しておきたいね!
特に、夜間はネックレスを引きちぎって強奪するといった手荒な犯罪が増えるので、こうしたトラブルに巻き込まれないためにも常に周囲への警戒をほどかないように注意しておこう!
多発犯罪2. 詐欺犯罪
ルーマニア全体で言えるのは、観光客が利用する主要駅の付近は、両替やホテルの斡旋、タクシーの手配を手伝うフリをし、高額な手数料を請求する詐欺行為などが発生する可能性があります。
ブカレストでは特に北駅(ノルド駅)付近で詐欺行為が多い傾向にあります。日本で怪しい人に物事を頼んだり、付いていかないのと同じで、海外に来た際にも気をつけてください。自ら声を掛けて交渉してくる人には注意したほうが良いでしょう。
日本で当たり前の『見知らぬ人にはついていかない』を、現地でもしっかりと徹底することが大切だよ!
また、ブカレストのノルド駅周辺では、旅行者に対して「ここはジプシーがたくさんいて危ないから、安全な所まで案内しよう」などと声をかけて、仲間のぼったくりタクシーまで誘導しようとする詐欺師も多くいるのだとか。
海外だということを忘れず、安易に知らない人を信用しないように注意しておこうねっ
多発犯罪3. 強盗や暴行・傷害犯罪
最近の凶悪犯罪事例として2012年8月、日本からヘンリ・コアンダ国際空港に到着した邦人女性が、同空港において親切心を装ったルーマニア人男性に声をかけられ一緒にタクシーに乗車し、その後、殺害されるという残虐な犯罪が発生しました。
さらに、同年12月には、観光目的で訪れた邦人男性が、ブカレスト市内のノルド駅に到着しホテルを探していたところ、ルーマニア人の男女から道案内をすると声をかけられ、暗がりへ誘い込まれて現金を出すよう脅され、男性がこれを拒否すると、殴る蹴るの暴行を受け貴重品及び現金を強奪されました。
空港や路上あるいはレストラン等で見知らぬ人から片言の日本語または英語で親しげに話しかけられ、時間を聞かれたり、道を聞かれたりしたときは要注意です。
出典:在ルーマニア日本国大使館『安全の手引き』(平成30年2月)
先ほど紹介した『詐欺犯罪』と同じように、ルーマニアで起こる凶悪犯罪の多くが「知らない人から声をかけられた」ことをきっかけとして起こります。
注意喚起されているように、時間や道を聞かれたり、親切心を装って片言の日本語や英語で話しかけてくる人はまず疑ってかかることが重要だよっ
そして、万が一強制的に現金を要求されるような事態に巻き込まれたら、絶対に抵抗したり拒否をしないこと!
何よりも大事なのは自分の命だから、パスポートだけはしっかり別の場所に入れて保管しておき、その他の所持品は全て渡して身の安全を最優先に確保してね!
3.どの地域が危険?訪問予定の都市をチェックしておこう
現在2019年10月現在、ルーマニアはどの地域にも外務省から危険情報が発出されていることはありません。
ただし、先ほど紹介したような窃盗犯罪や詐欺事件は依然として起きているので、旅行者として最低限の警戒を保っておくことが大切です。
また、地域によっても注意するべき犯罪が異なるので、これから現地を訪れる旅行者は訪問先の治安状況を前もってチェックしておこう!
首都ブカレストの治安
世界で2番目に大きな建築物として知られる国会議事堂『国民の館』を構える首都、ブカレスト。
中世の趣の残る石畳の通りにお洒落なカフェやレストラン、ナイトクラブがひしめく旧市街(チェントル・ベキ)や、200年前のルーマニアの農村風景を再現した「国立農村博物館」は必ず訪れておきたい場所です。
そんなブカレストですが、ルーマニア国内でも犯罪発生率は随一。
国際空港やノルド駅をはじめ、ホテルやレストランの周辺、またバスや路面電車といった公共交通機関内では多くの旅行者がスリや置き引き、詐欺犯罪に巻き込まれています。
さらに、近年では旧市街地区のロマーナ広場やウニリイ広場周辺にて、若者グループが観光客を狙って取り囲み、ネックレスなどの貴重品を引きちぎって強奪する事件も起きています。
上記のような場所では、貴重品の管理に気をつけることはもちろん、知らない人に声をかけられても応じない、周囲を常に警戒するなどしてトラブルに巻き込まれないように対策することが重要です。
また、ブカレスト市の第5地区にあたるフェレンターリ(Ferentari)地区は、治安当局がもっとも危険な地域として指定している場所のため、どのような理由があっても近づかないようにご注意ください。
ちなみに、ブカレストは野犬が多いことでも非常に有名で、2012年には野犬に噛まれ負傷したり、出血多量で死亡するといった事例が年間で16,000件の被害が報告されました。
この現状を省みて、野犬に対する治安当局の管理が強化されたことをきっかけに、2014年の被害数は8,000件にまで減少しましたが、ブカレスト郊外などではまだ管理の行き届いていない地域もあります。
野犬を発見しても、絶対に近づいたりエサを与えたりせず、万が一噛まれた場合は狂犬病のリスクも考慮して、ただちに医療機関でワクチンを打ってもらうように注意しましょう。
ブラショフ、ブラン城周辺の治安
吸血鬼ドラキュラの舞台『ブラン城』をはじめ、古き良き中世の街並みを残したルーマニア第二の美しい都、ブラショフ。
ブラショフはルーマニアの中でも特に治安の良い場所として知られていて、地元の人たちはとても明るく優しい印象を受けます。
ブラショフの街の中心には『スファルトゥルイ広場』があり、そこからメインストリートのレプブリチ通りが通っています。
このあたりは昼夜問わず観光客や地元の人で賑わっていて、女性であっても夜の一人歩きは問題ないでしょう。
ただし、街の中心部を少し外れると、街灯が減りかなり暗くなるため、夜には近づかないことをオススメします。
また、最近は減ってきているものの、ブラショフでは時折物乞いに遭遇することがあります。
物乞いは組織的に動いており、彼らにお金を与えても別の人物に渡る可能性が高いため、物乞いには応じないのが賢明かもしれません。
スリの可能性もあるため、物乞いが近づいてきたら持ち物の管理にも十分に注意しておきましょう。
シギショアラの治安
1556年に建てられた時計塔がランドマークとなっている、人口3万人ほどの小さな田舎町、シギショアラ。
城壁で囲まれた旧市街は中世都市の姿がとても綺麗に保存されていたため、1999年に旧市街全体がユネスコ世界文化遺産に登録されました。
街並みはカラフルでとても可愛らしく、地元の人々がフレンドリーなのは田舎町ならではと言えます。
治安に関しても概して良好ですが、シギショアラは迫害の歴史を持つ放浪の民族『ジプシー(ロマ人)』が多い街としても有名です。
旧市街では、ジプシーの子どもたちがレストランの客に食べ物をねだったり、観光客にお金を乞う姿を頻繁に目撃します。
こうした現状を受けて、シギショアラの旧市街の入り口には「物乞いにお金を渡さないで」とお願いする看板まで立てられています。
彼らが旅行者に対して危害を加えることは稀ですが、それでもジプシーによるスリなどの盗難犯罪の話も耳にします。
治安のいい地域だからと言って気を抜かず、犯罪への警戒心は常に保っておくようにご注意ください。
4.その他の注意点とは?ルーマニア旅行で気を付けるべき5つのポイント
i. 宗教上のタブー
ルーマニアで信仰されている主な宗教は『ルーマニア正教』であり、全体の約8割を占めています。
ルーマニア正教は英語で「オーソドックス・チャーチ(Orthodox Church)」と言い、ハリストス(キリスト)とその弟子たちから現代まで継承されてきた本家本元の『伝統的(オーソドックス)なキリスト教』です。
伝統的と言うと、由緒正しく決まりの多いイメージを持つ方も多いかと思いますが、ルーマニア正教は基本的に自由です。決まりごとや戒律は一切ありません。
そのため、信仰者と関わる際には特に気をつけるべきことなどありませんが、聖堂や教会を訪れるときには、ジーパンにTシャツといったラフな格好を避けるべきです。
しかし、同時に人目を引きつけるようなきらびやかな服装も好ましくないため、慎みを持った極端でない服装を選び、礼拝すると良いでしょう。
ii. 文化におけるマナー
ルーマニア人は東欧で唯一のラテン系民族です。
陽気で情熱的な性格を持った人が多く、感情的になりやすい一面もあります。
不用意に相手を刺激すると喧嘩に発展する危険もあり、言動には注意しておきたいところ。
また、ルーマニア人の交通マナーに関しては、「極めて悪い」の一言。
反対車線を使った追い越しや、路面電車の線路を走行するといった光景が日常的に見られるうえに、道路整備も十分に行われていないため、2019年の人口当たりの交通事故死者数は日本の約3.4倍です。
道路を渡る際には、たとえ青信号であっても必ず左右を見渡し、車が来ていないことを確認してから渡りましょう。
そのほか、ルーマニアは比較的物価が安い国のため、カフェやスーパーで小さな買い物をする際には、100Lei札などの大きな紙幣は嫌がられることがあります。
気持ちよくお会計をするためにも、できるだけ小さいお金を持っておくと便利です。
また、ルーマニアでは空港や橋梁、国境、軍事施設、各国大使館などで写真撮影が禁止されています。
違反した場合はデータ消去のうえ、一時的に拘束される可能性もあるため十分にご注意ください。
iii. 病気や感染症
先にも紹介しましたが、ルーマニアの一部のレストランや屋台などでは食品衛生があまり良くありません。
衛生状態の悪い食品を口にすることにより、サルモネラ菌や大腸菌を起因とする食中毒、胃腸炎、腸チフスなどが発生しているため、食事は衛生管理の行き届いた場所でのみ摂るようにしたいところ。
また、ルーマニアでは春から夏にかけて、マダニが媒介するライム病が発生します。
ライム病にかかると、筋肉痛や頭痛、発熱や悪寒など、インフルエンザと似たような症状が現れる特徴があります。
暖かい季節に外へ出かけるときには、できるだけ長袖・長ズボンを着用し、ダニに咬まれないようにご注意ください。
そのほか、2019年にはルーマニアで麻しん(はしか)の感染例が多数報告されています。周りの人に感染を広げないためにも、出発前に予防接種を受けておけるとベストです。
また、ルーマニアは狂犬病感染リスクの高い国であり、野犬をはじめ、猫やキツネなどの野生動物から狂犬病ウイルスが検出されています。
狂犬病が発症した際の死亡率はほぼ100%と言われているため、動物に万が一噛まれた場合にはすぐに医療機関にかかり、ワクチンを打ってもらいましょう。
iv. チップ制度はあるか?
ルーマニアではサービスを受けた時にチップを渡すのがマナー。ただし、すべてのお店で支払う必要はありません。
チップを支払う目安になるのは、『サービスを受けた(利用した)後にお金を支払うかどうか』です。
つまり、レジカウンターでお金を支払って商品をもらうファストフード店や、セルフサービスなどのお店ではチップを支払う必要がなく、レストランやタクシーといった「後払い」のサービスに対してチップを渡すと覚えておくといいでしょう。
ルーマニアでのチップの目安は、基本的には支払った料金の10〜15%程度です。
ただし、サービスによっても習慣に違いがあるため、旅行者が頻繁に利用するサービスについては下記を参考にしてください。
- タクシー
お釣りの小銭をチップとして渡す程度でOK。タクシーを長時間チャーターした場合は料金の5~10%をチップとして渡しましょう。
- レストラン
お会計時に、ウエイターがレシートと一緒にレシート入れをテーブルまで持ってくるため、金額を確認し、料金の10~15%を上乗せした金額をチップとして入れましょう。お釣りが必要なときは、お釣りをもらったあとにレシート入れにチップを入れておけばOKです。
- ホテル
ポーターに荷物を運んでもらったときや、ベッドメーキング、清掃してくれる人に対して5~10Leiほどのチップを渡すのがマナーです。
v. どんな服装がオススメ?
ルーマニアでは、夏場(6~8月)の平均気温が20℃前後と過ごしやすい一方で、冬場(12~2月)は氷点下まで冷え込みます。
また、どの時期であっても1日のなかで大きく寒暖差があるため、重ね着などをして調整しやすい服装をオススメします。
夏場は日差しが強いため、帽子やサングラスを持参するといいでしょう。
春や秋には日本の初冬と同じくらいに冷え込むため、厚手のセーターやコートなどの防寒着が用意しておきましょう。
5.スリ等の窃盗犯罪はとても身近。海外旅行保険には必ず加入しておこう
ここまで紹介したとおり、ルーマニアではスリやひったくりといった盗難犯罪に多くの日本人旅行者が巻き込まれています。
また、暴行・傷害事件も少なくなく、こうした犯罪に巻き込まれた場合、ケガをして治療を受ける必要も出てきますね。
一般的に、ルーマニアでの医療費は日本より安いと言われていますが、医療レベルは西欧先進諸国の水準に遠くおよびません。
重篤な病気やケガをしてしまった場合は、日本や周辺の医療先進国への移送が必要となり、そうなった際にかかる搬送費は大変高額になります。
また、そこまで大きなケガでなくとも、現地では日本での健康保険を使えないため、医療費は全額自己負担となります。
こうした盗難犯罪や医療事故に備えて、ルーマニア旅行へ出発する前には必ず海外旅行保険に加入しておくことをオススメします。
また、もしバラ掛けで加入する場合にも、盗難被害のための『携行品損害』、医療事故のための『治療費用』は必ず補償してもらうようにしましょう。
そんなときは、クレジットカードについてる海外保険を使えば、費用をほとんどかけずに十分な補償を得てルーマニア旅行を楽しむことができるよ!
例えば、僕がいつも使っている『エポスカード』は年会費無料だけど、カードを持っているだけで90日間、現地で以下のような補償が得られるんだっ
★ エポスカードの海外旅行保険の内容
★ 海外保険の内容 / 補償金額 | |||
➀ 疾病治療費用 | 270万円 | ||
② 傷害治療費用 | 200万円 | ||
③ 携行品損害 | 20万円 | ||
④ 救援者費用 | 100万円 | ||
⑤ 賠償責任 | 2,000万円 | ||
⑥ 傷害死亡/後遺障害 | 500万円 | ||
★ カードの特徴 | |||
◎ 即日発行&受取 可能 | ○ Visa のみ | ||
◎ キャッシュレス診療対応 | ▲ 家族特約なし |
そんなときは、高額請求の怖い「治療補償」だけを一般保険のバラ掛けで追加してあげれば、普通に一般の海外保険へ加入した場合と比べて数万円も節約することができるんだ!
僕はいつも、医療費の高い国へ出かけるときにはエポスカードの保険に加えて、損保ジャパンの『新・海外旅行保険 off!(オフ)』の「オーダーメイドプラン」で『治療補償』だけをプラスしてあげてるよ。
詳しい方法は「クレジットカード付帯の海外旅行保険!厳選おすすめ&比較表2019年」を参考にしてみてねっ!
おまけ:現地の日本国大使館の連絡先をメモしておこう
パスポートを紛失したときには再発行もしてくれるので、現地大使館の住所や連絡先は必ずメモしておこうっ
在ルーマニア日本国大使館(ブカレスト)
住所 | 8th Floor, America House East Wing, Sos. Nicolae Titulescu, Nr.4-8 Sector 1, Bucharest ROMANIA |
電話 | 国内から:(市外局番021)319-1890 |
国外から:(国番号40)-21-319-1890 | |
領事部:consular@bu.mofa.go.jp ※パスポート、ビザ、邦人保護等 |
|
FAX | 国内から:(市外局番021)-319-1895 |
国外から:(国番号40)-21-319-1895 | |
開館時間 | 9:00-12:30 /13:30-16:30 |
情報は最強の防犯対策!しっかり準備して快適なルーマニア旅行を
今回紹介した治安情報はミーちゃんのルーマニア旅行の参考になりそうかな?
今まで治安っていっても、何を調べたらいいのか漠然としていたんだけど、旅行者には旅行者の調べるべき現地情報があったんだね!
ルーマニアでの観光中は持ち物やお金の管理には十分に注意して、万が一のことが起こったときにも身を守れるように海外旅行保険にはちゃんと入っておきますっ
海外では日本の常識はほとんど通用しないから、情報こそが現地で自分の身を守る最高の防犯対策になるんだ!
ここで得た情報をしっかり参考にして、快適なルーマニア旅行に出かけてきてねっ!
というわけで、今回はルーマニアへ旅行する前に必ず知っておいてほしい治安情報や防犯対策について紹介しました。
ルーマニアに限らず、ここで紹介した5つの治安情報はどこの国へ行く際にもぜひ調べておいてほしいこと。
正しい情報をしっかりと掴んで、最高の海外旅行を楽しんできてくださいね!
海外旅行保険の準備、できてますか?海外では日本よりも遥かに医療費が高額なので、海外保険への加入は必須です。
しかし、僕も含めて、海外好きのほとんどの人は海外保険付きのクレジットカードだけで済ませてます。海外で必要な補償は、ほとんどカードだけでまかなえてしまうんです。
以下では、年会費がかからず補償額の充実したカードを厳選しています。カードを持ってるだけで90日間の保険が自動的に適用されるので、手間が省けて便利です。
サクッと申し込みを済ませて海外保険の準備を終わらせちゃいましょうっ
★ 年会費 | 無料 | ||
★ 保険の条件 | 自動付帯 |
エポスカードは疑いなしに年会費無料カードの中でトップクラスの補償額が付帯。カードを持ってるだけで現地で90日間の保険が有効になります。
即日発行&受取にも対応していて、土日・祝日でも近くのエポスカードセンターで受取OK。カードブランドは世界シェアNo.1のVisaだから、海外での使い勝手も抜群です。
★ 海外保険の内容 / 補償金額 | |||
➀ 疾病治療費用 | 270万円 | ||
② 傷害治療費用 | 200万円 | ||
③ 携行品損害 | 20万円 | ||
④ 救援者費用 | 100万円 | ||
⑤ 賠償責任 | 2,000万円 | ||
⑥ 傷害死亡/後遺障害 | 500万円 |
★ 年会費 | 無料 | ||
★ 保険の条件 | 自動付帯 |
横浜インビテーションカードは自動付帯の海外保険だけでなく、最高1,000万円の国内旅行保険付きとお得。さらに、カードで購入したものは盗難・破損しても、年間100万円(自己負担3,000円)まで補償されます。
海外ではカードの不正利用なども怖いですが、ネットあんしんサービス付帯で不正利用による損害も補償。世界シェアNo.2のマスターカード発行なところも魅力の1つです。
★ 海外保険の内容 / 補償金額 | |||
➀ 疾病治療費用 | 200万円 | ||
② 傷害治療費用 | 200万円 | ||
③ 携行品損害 | 20万円 | ||
④ 救援者費用 | 200万円 | ||
⑤ 賠償責任 | 2,000万円 | ||
⑥ 傷害死亡/後遺障害 | 2,000万円 |
★ 年会費 | 26歳まで無料 (以降3,000円/年) |
||
★ 保険の条件 | 自動付帯 |
自動付帯でゴールドカード並みの補償額が付いたセゾンブルー・アメリカン・エキスプレス・カードは、学生には嬉しい26歳まで年会費無料。エポスカード同様、即日発行&受取にも対応しています。
さらに、世界51都市で使える海外アシスタンスデスクが利用でき、海外初心者でも安心。空港で手荷物を1つ自宅まで無料で届けてくれるサービスは会員なら何回でも利用OKです。
来店でのお受け取り(最短即日発行)の場合は、ICチップ機能の無いカードのお渡しとなります。あらかじめご了承ください。
★ 海外保険の内容 / 補償金額 | |||
➀ 疾病治療費用 | 300万円 | ||
② 傷害治療費用 | 300万円 | ||
③ 携行品損害 | 30万円 | ||
④ 救援者費用 | 200万円 | ||
⑤ 賠償責任 | 3,000万円 | ||
⑥ 傷害死亡/後遺障害 | 3,000万円 |
旅行への出発前にぜひチェックしてみてねっ